全身に影響する!?子供の受け口を早めに治すべき5つの理由

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噛み合わせが“上の歯列よりも下の歯列の方が前に出ている状態”である受け口。

専門用語ではその状態を反対咬合(はんたいこうごう)といいます。

反対咬合で悩む方は、けして本人だけでなく、小さなお子様を持つお母さん方もいらっしゃいます。

そこで今回は、反対咬合が口や体にどう影響するのか、原因と対策について詳しくまとめました。

是非参考にして頂ければと思います。

1. 反対咬合によって起こる影響とは?

反対咬合によって起こる影響とは?

通常の噛み合わせとは違う反対咬合では、口の中は勿論の事、全身へも様々な悪影響を及ぼす可能性が考えられます。

早い段階で反対咬合を治すべき理由とは一体何なのでしょうか?

1-1. “噛む”という機能の低下に繋がる

食事をする際に行う“物を噛む”という動作は、上の歯と下の歯が正しく噛みあう事で起こります。

反対咬合の場合、下の歯列の前後のバランスにズレがある為、噛み合わせに歪みが生じ、特に前歯の“噛み切る”動作が上手く行えない事が多いとされています。

また、スポーツでは歯を食いしばる事で大きな力を発揮できますが、下の奥歯が上の奥歯よりも外側に出ていると食いしばる事も難しくなります。

1-2. 顎関節症を引き起こしやすくなる

噛み合わせが悪いと、一部の歯に負担がかかったり、顎の動きを支える関節に悪影響を及ぼします。

その為、反対咬合である人は、顎関節症になりやすいとされており、歯の生え変わりの時期やまだ骨の柔らかい子供時期に早めに対処しておくべきといわれています。

顎関節症は、2人に1人は一生のうちに経験するといわれていますが、痛みや不快感には個人差があり、重度の場合であると仕事や日常生活に支障をきたします。

1度発症してしまうと、すぐには治す事が出来ないので要注意です。

1-3. 言葉の発音が悪くなる

前歯が正しく接触していない反対咬合は、“さ行”や“た行”の発音がとても難しくなります。

唇の動きと舌の動きに加え、前歯の位置というのは発音をする上で大変重要なものであり、間違った発音の仕方に慣れてしまうと、その後歯並びを正しく整えたとしてもすぐに綺麗な発音へ直す事は難しいといわれています。

1-4. 首や背中、腰など他の骨に負担がかかる

下の顎というのは、全身のバランスをとるのに大変重要な役割を果たしています。

反対咬合である事によって、下の顎が固定されている状態が続くと、体全体のバランスが崩れて、首や背中、腰など他の骨に負担がかかり、痛みや違和感が発生する原因になります。

腰痛や肩こり、関節の負担によるヘルニアにもなりやすいともいわれています。

1-5. 消化不良を引き起こしやすくなる

食べ物を上手く咀嚼(そしゃく)できないという事は、その分胃や腸へ送られる食べ物の状態が悪くなり、上手く消化が行われなくなります。

消化不良が起こると、栄養素の摂取量が減少し、身体の成長に悪影響を及ぼします。

特に成長期の消化不良は、臓器や骨など人間が生きていく上で必要な部位が脆くなる危険性があり、大変危険です。

2. 反対咬合になる原因は“遺伝”と“癖”

反対咬合になる原因

反対咬合は、大きく分けて2通りあります。

1つは、遺伝的な反対咬合で、顎の骨自体が前へズレているケースです。

この場合、歯の生え方には一切問題がない事が多く、歯科矯正では下の歯を内側へ無理矢理倒す形となり、顎が出ている状態を余計強調させてしまう可能性があります。

その為、歯科矯正ではなく、顎の位置を正す手術が適切だといわれています。

そして、もう1つは、幼児期の指しゃぶりや舌を前へ出す癖などが原因で、下の前歯が外へ押し出されたケースです。

この場合は、歯の傾きが原因となりますので、歯科矯正により正常な歯並びへ正す事が可能です。

3. 反対咬合を予防する!幼児期に受ける矯正治療

反対咬合を予防する!幼児期に受ける矯正治療

歯科矯正は、けして成人になってからでないと行えない処置ではありません。

反対咬合を予防する為に早い段階で矯正治療を受ける方も多く、その場合ご家族の協力が必要不可欠となります。

幼児期に受ける矯正治療にはどのようなものがあるのでしょうか?

3-1. 乳歯の段階で行う歯科矯正“ムーシールド”

ムーシールドという矯正装置を使用し、舌や口周りの筋肉を調整します。

身に付いた癖を直す役目がある為、正しく使用する事で、生え変わりの時期に起こる反対咬合を予防する事ができます。

治療期間は半年~2年程度で、日中1時間、睡眠時に使用します。費用は、約12万~35万円です。

3-2. 生え変わりの時期に行う歯科矯正“上顎拡大装置”

上顎拡大装置は、下の顎の成長に合わせ、上の顎を広げる為に使用する矯正装置です。

10代前半まで対応可能です。

治療期間は2年程度で、出来るだけ1日に長時間の装着が良いとされています。費用は、約15万~40万円です。

4. まとめ

反対咬合は、口の中だけでなく体全体に悪影響が起こる危険性があります。

早めに対処する事で、正しい噛み合わせや発音、そして何より丈夫な体が作られます。

お子様のお口が少しでも気になった方は、是非一度歯科医院へご相談下さい。

 

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歯科ペディア

「歯の健康を保つ応援メディア」歯科ペディアです。 歯科医師監修のもと、歯科業界の現場で活躍している方がライターとして記事を執筆、情報を発信しています。
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